ギザギザになった歯を何とか治せないのかな、歯がギザギザにならないようにすることはできないのかな、などという歯に関する悩みが解消出来たらいいですよね。
でも、自分の歯は治るのだろうか、治るとしてもいったいどんな治療方法があるのかという疑問は尽きません。どうせ治りっこないから関係ないという諦めはありませんか?治ったとしても同じことにならないのかという不安もあると思います。
そこで、こんな疑問や不安をなるべく解消できるよう治療方法や予防法をご紹介していきます。諦めずに取り組み、誰の前でも爽やかににこやかな笑顔を出せるようになり、どんなときでも本来の自分を表現できるようになれれば、より楽しい時間を持つことが出来るでしょう。是非参考にしてください。
1.ギザギザになっている状態で歯が生えてきたら
1-1 永久歯が生えた時は誰でもギザギザ
お子さんの歯が生え替わり、歯の先端がギザギザになっているという心配の声があります。乳歯から生え替わった永久歯は程度の差こそありますが、誰でもギザギザになっています。
歯は骨の中でつくられるのですが、その時の歯のもとは三つに分かれていて、それが一つの歯になって出てきます。そのため、上下の前歯などには特に綺麗な三つの山があるギザギザが見られます。これが生えたばかりの永久歯がギザギザしている理由です。
また、歯を使っていけば自然とこのギザギザはすり減ってなめらかな状態になるので心配はいりません。
1-2 普通は自然に治るが時には治療も必要
上記でも説明したように、生えたての永久歯は使っていくうちに自然と平らになってくるので特に治療は必要ありません。
しかし、噛み合わせが良くない場合や歯が溶けてしまう酸蝕症という症状になってしまった場合、アクシデントで歯が欠けてしまった場合などは治療が必要になってくることもあります。
下記では、酸蝕症になってしまった場合や他の要因で歯がギザギザになってしまった場合の対処法をご紹介します。
2.歯がギザギザになる二つのタイプ
2-1 歯が薄くなりギザギザになってしまう可能性
酸蝕症(さんしょくしょう)という、歯の表面のエナメル質が溶けて薄くなってしまうという症状が出ていると、歯の先端がギザギザになってしまう場合があります。
酸が強い飲食物を多く摂ったり、逆流食道炎、摂食障害による嘔吐などでもなってしまう場合があり、進行していくと知覚過敏と同じような症状も出てしまうので定期的に歯医者さんでクリーニングを受けることをおすすめします。
2-1 衝撃によってギザギザになってしまう場合
歯ぎしりや噛みしめ、スポーツやアクシデントなどで歯が欠けてしまうという場合もあります。
歯ぎしりや噛みしめの時に歯が受け止める力は、想像以上に高いものです。そのため、歯には強い衝撃がかかります。この結果、歯茎や象牙質などのように、ある程度柔軟性のある部分が受け止めきれなくなった場合、歯が欠けてしまうというケースがあります。
軽度な場合はコンポジットレジンという素材を付ける方法で、大きく欠けてしまった場合には被せものをするという治療方法がありますが、まずは歯医者さんに相談し欠けた範囲に適した治療法を提案してもらうことをおすすめします。
また、歯ぎしりやスポーツをする上での噛みしめが気になるという方はマウスピースを使用した治療で予防ができる場合もあるので、こちらも歯医者さんに相談してみてください。
3.永久歯のギザギザは治療できる
3-1 美容診療で治療する
普通だと何もしなくてもやがてすり減って滑らかになるのですが、上手く前歯を使えていない場合や、噛み合わせがあまり良くない為などの原因でギザギザのままになっているケースもあります。
このようなケースにはラミネートベニアを貼りつけるという治療方法が多く用いられています。
ラミネートベニアとは、ネイルチップのようなものですが、セラミック素材でできていて一度貼りつけたら剥がれないようになっており、見た目にも自然な仕上がりになります。
また、噛み合わせが悪い場合は矯正をして調整をすることも視野に入れて歯医者さんに相談してみることをおすすめします。
3-2 永久歯のギザギザの予防はできない
乳歯から生え変わった永久歯は程度の差こそありますが、誰でもギザギザになっているものなので防ぎようはありません。
前歯を使いなめらかになるのを待ってみてください。
3-3 酸蝕症によるギザギザを予防するには
まず、酸性の食品や飲料の摂取をなるべく控えることが大切です。特に飲料ですが、意外なことにアルコール飲料全般やスポーツ飲料、コーラなどが高い酸性を示します。
そのため、食後やアルコールを飲んだ後はしっかり歯磨きをしたり水で口をゆすぐことが必要です。口中に食べ物や飲み物の味がしなくなるまで十分にゆすいでください。
もうひとつ、摂食障害による嘔吐や逆流性食道炎がある場合ですが、まず、これをしっかり治療しておかなければいくら歯を治療しても効果はありません。つまり原因になることをしっかり治しておく必要があります。病院で相談し、自分の体調と向き合うことが重要です。
4.まとめ
歯のギザギザは、決して治らないものではありません。ただし、いくら治しても原因を放置してしまうとまた同じことが起きてしまう可能性は大いにあります。その為には、原因を取り除くことと、その要素を緩和しておく必要があります。
例えば酸蝕症対策として、歯のエナメル質を厚くすることは基本的には難しいのですが、定期的にフッ素ジェルを使って抵抗要素を大きくすることはできます。他にも、摂食障害や逆流性食道炎にならないようにすることですね。その為には、慢性的なストレスを抱え込まないで上手に発散することも大切なことです。
また歯の衝撃対策として、歯茎や象牙質の柔軟性が落ちないようにコラーゲンを摂取しておくこともなかなかいい対策だと思います。
歯は健康の第一歩ですから、大事にしましょう。
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監修医高村剛先生
高村歯科医院 院長
■院長経歴
出身校(最終学歴)北海道医療大学 歯学部 歯科医師歴24年目
歯科医師を目指したきっかけ:父親が歯科医師で、背中を見て歯科医師になろうと思った。